春・春・春・・・

 

 春、薪サウナの解禁日。真冬はこのような素朴なサウナ小屋だと加熱に相当な時間がかかってしまいます。おまけにその間、火の守をせねばなりませんから、真冬にはわたしたちの家ではサウナに入りません。(冬場は、家の中の簡易エレクトリックサウナでご主人たちは我慢!しています。文句言いながら・・電気のサウナなんて・・!って言っても、ご主人が取り付けたんですけどね。)

 本物の薪サウナは一時間ほどかけてご主人夫婦の好みの90℃くらいまで加熱します。

 

 木の香り、テルヴァ(タール)石鹸の香り、ヴィヒタ(白樺の葉)の香り・・

とてもいい香りなのですが、日本に帰ってからこの香りを思い出すと涙が出てきます。とくに私が始めてフィンランドへ行ったとき、テルヴァ石鹸の香りには驚きました。手作りの石鹸で、幾何学的な、(というか、ただの箱型)形がとても美しく、気に入って大量に購入したのですが、なんとも解せないにおいが・・「なんだこのこげくさいの・・こんな臭いが身体に染み付いたら、表出れないじゃないか!」と、正直思いました。焚き火の煙のような香りです。

 しかし、今回長期に滞在し、しょっちゅう薪サウナに入らせてもらってると、この天然木からのタールの香りが木のサウナ小屋と、スチームの香りとあいまって全身を包んでくれていることを感じるようになりました。

 そして十二分に体が火照ったら、湖にこわごわそろり・・つめてえ~!!

 しかし、雪解け水に全身浸かって頭までもぐり、出てきてタオルで体を拭くと、なんともさわやかな気持ちに満たされます!! 「爽やか」と言う言葉はこのためにあるのを今まで知らんかった!と言うくらい、爽快なのです。裸天国!すっぽんぽん万歳!! 今まで日本でサウナだと思っていたものはなんだったのでしょう???

 

 そうして私はフィンランドの男たちと(完全無修正)すっぽんぽん天国、または私たち夫婦ですっぽんぽん天国を満喫しながら、フィンランドビールをキューッツと飲む快楽におぼれるようになりました。

「きもちいい~!!」

   

 裸の付き合いというのは本当に全ての壁を取り払ってくれます。自分が高貴な身分であるとか、アイドルであるとか、そんなことは全て忘れて人と人、心と心、の関係になれます。(でもサウナを出て一晩もすれば、また誇大妄想癖は復活します。)

 

 テルヴァのかおりに包まれての平和で素朴な毎日。

テルヴァ、サルミヤッキなど、フィンランド特有の香りのするものを、すぐに「くさい」だの「まずい」だの言って切り捨ててしまうのは文化への冒涜!

巷で見かけるマリメッコ(うにっこ)日本人女子軍団には、強制的にサルミを食わせて「zっ・・ぅ・・ぅまいですぅうう・・・・・」と言わせてやりてえ。。

 

 ちゅうか、マリメッコの店にはサルミを常備しておく義務があると思います。「踏み絵を喜んで踏むやつにしかフィンランドの魂は売り渡しはせん!!」

 ついでに初サルミ時の客の顔のポートレートを撮って、店内にずらりと並べるのです 私が店長になった日には必ず実施します。(フィンランドの美術家とほんとに約束しました!)ファッツェルもSisu(フィンランド魂)な皆さんも大喜び。これこそが文化交流、理解のあるべき姿。ふやけきった現代日本にSisuを注入するのです!!

 (酔っ払ってません。このH.P.は、この内容を訴えるために存在する、と言っても過言ではありません!!!!! ???)

 

 

   

   サウナの窓から・・

 

 

 

  とろける太陽。

 

 

 

 

 

 

 奥さま、レエナさんの定番、人参ケーキ、ポルッカナカック。ファンが多く、夏にカフェを開くとわざわざ遠方から食べに来る方も。地で取れた、香りの豊かな人参だからこその気高い味わい!

 ちなみにカックはケーキのことですが、スープのことをケイット(ソッパ)といいます。また、シュガーはソケリ、ソルトはスオラ。

なんだかちょっとまぎらわしい。どっちがどっちか、間違えてしまいそう。

 私のよめさんはうっかり"みそす~ぷ"のつもリで「味噌カック作りますので召し上がってくださいね!」なんて言っておりました。できれば一生食べたくないケーキでしょうね。

 

 

 

 

 震災の翌日、私たちを招待してくださったご家族。なんという心遣い。おもいやり。やさしさでいっぱいな方々です。

 別項に書きましたのでここには震災については述べません。他国で情報に翻弄される苦しみもあるのです。

 

 

 

 

 

 

「また氷が解けたら、魚釣りにでも行きましょう。」とご主人。居間にはものすごく研ぎ減りした”ロセリ”ナイフが!! 

「ロセリ」を愛する人に悪い人はいません!! ええ、そうに違いありませんとも!!

 

 

 

 

やかまし村の(となりの国の)こどもたち

お前ら、なんちゅう行き届いた施設で遊んどんねん・・・

自然・完璧な設備・清潔そのもの・・・

 

俺の幼児期(唯一の青春)をかえしてくれ!!

 

 

むちゃしよりますわぁ。

子供に絵を教えるときはお手本の模倣に飽きさせるよりも、色彩が広がり行く楽しさに、夢中にさせることが大切だと考えています。

 それでこうなりました。

「うわっへんなの!まっ黒ッ!」「ここも黒っ!!」と画面を指差してゆくと、私の指あとを追いかけるように複雑な濃い色を重ねてゆくこどもたち。どこもかしこも真っ黒になって

「はい、ぜーんぶまっくろ!!」でおしまーい!!

 かくして壮大なスケールのアブストラクトアートが天才コンダクター(詐欺師)の手により創造されたのです。

 

 どうでもええけど、さりげなくマリメッコやないかおまえ~。汚れてもお構いなしやな・・・

 

 

 

 

下足室にも一切ゴミが見当たりません。

 

未来のライバルたちが・・・!!

気をつけたまえ、出るくいは打たれるのだよ、諸君!!

 

 

おどろき。こどものためだけの炊事場。幼児の身長に合わせたキッチンです。

ここで、親の手伝いとか、覚えさせるのでしょう。

 

 

 

 

雪が無くなった!! 地面が見える!地面が見える!

 

 

 

村の元学校だった建物に出かけてみると・・・

 

 

 

村の手工芸のフリーマーケットが開かれておりました。

 

もちろんこの建物も築100年は超えているでしょう。

 

 

 色鮮やかなフェルトの作品たち。テーブル上の縦長の立ってるかわいい狐やらは、水にぬらしてワインのビンにかぶせて冷やすためのエコな工芸品。見た目のかわいさと、実用をかねた作品です。各地でよく見ます。

 「ぬらしたら縮まないの?」と聞いたら、「前もってぬらして縮めまくってから作ってるから、大丈夫。」とのことでした。

 

 

 学校のエントランス。わたくし、広い玄関が非常に好きです。

しかしなんでこうもシャレてんのかねえ。建屋が、本物の素材で出来てるからでしょうね。全て無垢。古くなっても無垢材は歴史を伝えてくれるのです。

 

 

 

 

 立ち去りがたく、もういっぺん振り返る。

 

 

 

 ど迫力女流作家、トゥイヤさんのお宅の巨大ブランコ。日本人ならぜったい「ハイジ!ハイジ!」と叫んでしまいます。

(スイス人は???ですが。)

 

 すばらしい豪邸・・・・・しかしなんとも、、すさまじい・・・・うーん、これ以上書けんっ・・・!!!!

 

 

 

 素晴らしいお宅でした。いいなあ・・・室内の写真は?って? いや、言えない!書けない!!

 

 

 

 メットを買ってもらいました!! 「家族も使うからいいんだよ!」有難うございます。

 自転車用ですよ。

 

 

 

 今日もハウキをいただきます!!

よめさんが作ってくれたのを、レーナさんにおすそわけしてフィンランドの味になっているかチェックしてもらうことに。

うっかりコショウを利かせてすぎてしまったのですが、大変お褒めを頂いて自虐的なよめさんも有頂天に。

 

 たしかにうまかった!タラとスズキの間のような味と食感。

 

 

 

 

 イースターにたべるマンミという食べもの。穀物の粉を醗酵させた餡状のデザートのようなもので、クリームをかけていただく。

この時期は各社のマンミがたくさんマーケットに積み上げてあります。甘い味は今では砂糖を加えてありますが、昔は醗酵による甘みだけの素朴なものだったとか。入れ物もむかしは木の皮で作った容器だったそうでその名残で、現在の紙のパッケージにも木目のプリントが施されているものがあります。

 

 味は・・・元が粉なので、クリームのような滑らかさとまではいきません。私には黒糖味の、むかし懐かしい「はったい粉」のような味に思えました。はったい粉、知ってます??

 

 

 

 フィンランドの品物にはよくスウェーデン語の名前も連なって表記されていることが多いですが、このパッケージも笑えます。

 「マンミ」の下に「メンマ」

 

 

 超美人、エディルちゃんの得意なチョコケーキと、手前のがクリームをかけた、その、「メンマ」いや、「マンミ」。

 エディルちゃん、日本に来る際は、その天然流し目、NGですよ、危険すぎます!!

 

 

 

 

 

 

 運命の館・・・「Pensionaatti」通りかかるたび、すごく印象的な建物でした。

このときはまだ何も知りませんでしたが、また後々、大変ご厄介になることになるのです・・・

 

 

 

 自転車の鍵が合理的。太いバーががっちっと。

 

 

 何をするにも、自転車で。

 

 

 

 

代々、ご主人の家族が大切に育て続けてこられた湖の岩場の植物。

 

 

 

 池もようやく氷どけ・・と思ったら、ずばっと底に張り付いていた氷が浮き上がってきてもうなんだか・・・

 

 

 

 よめさんは きょうもにんまり きるぷとり(リサイクルショップ)

 

 

Kiitos kailille Suomen Parhaat Ystävät!!

 2020、ヘルシンキでの個展が終了しました。

 2年がかりのプロジェクトで、ずっとそれだけに掛かり切りでしたが、ついに終わってしまいました。

 

 関係者の皆様や、強力にサポートしてくれた親友たちに、あんな気持ち、こんな気持ち、色々お伝えしたかったのに。いつもそうですが、済んでしまうとあっという間。

 

 こんな成功した展覧会はなかなか経験できるものじゃない。

 

 何度も繰り返し来場してくださったお客様、遠い国から深く感謝申し上げます。

 

 そして、親友たち、また近く、次の機会を待っててください。

 

 特にいつも親のように心配してくださっているオリさん、レエナさん、エイラ、アンティさん、カアリナ、ヘイッキさん、お体を大切に。

 トゥッカ、パイヴィさん、素晴らしい友情をありがとう!!

Tusen takk for dear friends, ありがとうM.Aさん!!

2017、あたらしいBLOG書き込もうと一念発起!! 今年のノルウェー個展は個人的には特別な機会となります。これからぼちぼちかきますのでBLOG2017のコーナーを御覧下さい!

 

 

 

2015 7~9月、はしばらく休めていたノルウェーでの個展企画など美術活動を展開中です。ムンクの研究はわたしの生涯のものですが、現在はなにより、ノルウェー高地の森林限界地域の自然環境の取材を行っております。予期せず決死の活動になってしまっておりますが…冗談抜きに死ぬところでした…  詳しくはBLOGのJotunheimenの項目を御覧下さい!!

 

 

 

2014 7~8月、今年のフィンランドでの美術活動を終え、日本にかえって来ました。 全長8mの巨大な絵画を描き上げてきました。 詳しくは後日BLOGで!!

2010-2011 Works in Finland Virrat16,17がいまさら完成しました。よろしければ御覧ください。

                               

 2011年、北欧ラップランドでの写真展を終え、フィンランド内陸部の湖畔の美しい村で、制作と展覧会、また、国際的なアーティストたちとの刺激的なワークショップを終えました。

 現在は、憧れであった、ノルウェーのハルダンゲフィヨルドに面するオールヴィクで、なぜか楽しいオランダ作家たちと、興奮に満ちた日々を過ごしております???

 『厳しい冬を知らずして、北欧の美術は語れない』との思いで、氷との格闘からスタートした私の留学でしたが、春には現地の誰より薄着になれるほどタフになりました。

 冬から春、夏へと急激に変化する北欧の気候には、ただただ圧倒されるばかりです。 

 すっかり報告が伸ばし伸ばしになっておりますが、私の体験していることを少しずつご紹介いたします。