先日仕事を終え帰って参りました。
今後の美術活動上の可能性を広げる色々な提案を述べ合い、さらに強い協力関係が生まれ本当に嬉しく思っております。
フィンランド作家で最も尊敬するカインタッペレの生家へ、友人のトゥッカペルトネン、パイヴィソンピ夫妻が連れて行ってくれました。そこで聞くエピソードのひとつひとつが実に面白く、歴史上の人物像が途端に親しみもてる姿となって感じられます。
また、そこから様々なところ、中央フィンランド、サーリヤルヴィなどのヤルヴィ・スオミ地域から、西部のヴァーサなど、今まで訪れることのなかった場所場所に案内していただきました。ヴァーサは美しいところでしたが、いわゆるスウェーデン語圏の街にはなじみのない私たちには、まるで外国のように感じられ、新鮮な驚きがありました。フィンランド人たちには分からないようでしたが、長くつつましいフィンランド然とした文化に慣れきっていると、コルスナスやクリスティーナなどは全くノルウェーのオースゴールストランの路地そっくりに感じられました。外国的魅力は感じられるものの、なんだか少し落ち着かない気持ちにもなりました。
もちろん歴史的に複雑な状況が生み出したネガ・ポジ両面の差異なのですが、その違いこそが、文化の豊かさ、深さなのだと思います。
そして、トーヴェヤンソンの壁画のあるテウヴァ教会へ、なんと信じられない偶然と友人たちの機転で、生誕100周年ジャストその日に伺うことに。
地元の歴史研究家のカレルヴォさんに、われらが師匠、カレヴィ氏がグイグイ芸能記者のように質問。(二人とも地元出身)週刊誌並みの面白い情報を入手できました!!
生き生きしたトーヴェの姿が、実際にその人を知る人々の証言から浮かび上がってきます。
「あんた達の前にも20人以上の日本人女性グループが来たが、彼らは熱烈なトーヴェの愛好者で、絵の間近に来たとき、なんとハンカチで目を押さえ始めたんだ!!」と、カレルヴォさん。彼は実に品の良い紳士ですから素直にそうおっしゃっているのですが。でも奇異でもあったことでしょう。
トーヴェの世界観は好きだし、ムーミンも好きですが、わたしにはそれはフィンランドの自然の営みと文化があってのものですから、、、、結局、蚊だらけの森で、羽のないアブが身体中這い回るような状態でベリー摘みしてもあんたら平気ですか? と、意地悪に聞いてあげたい気持ちになります。
わたくし、ときにめげます・・・
ササカワ財団さまのご支援を賜り、今回は両国の文化交流に大いに役立つお仕事を進めることができました。詳細はまだ申せませんが、私にはすごく大きなプロジェクトになります。良いご報告が出来るのを楽しみに致しております!!